今回、都に情報を提供する大手コンビニエンスストアは、災害が起きた際に早期に店舗を復旧させるため、店舗ごとの停電や断水などの状況をリアルタイムで把握するシステムを運用しています。
このうち、断水の状況については店に設置されたコーヒーマシンから把握することにしています。
水道管につながっているコーヒーマシンはタンクの中の水の量が一定以下になると、自動的に給水される仕組みになっています。
会社はこの仕組みを利用して、給水されなくなった場合、その情報がシステムに反映されるようにしていて、周囲の店舗も同じように給水されなくなったかを調べることで、断水が生じているエリアを絞り込むことができるということです。
「セブン‐イレブン・ジャパン」の西村出システム本部長は「店舗は都内に2900あり、どのエリアで断水が起きているか、細かく推測できる。民間企業が行政にない情報を持っている場合もあるので、官民の連携を積極的にしていきたい」と話していました。
断水場所すぐ特定 コンビニのコーヒーマシン稼働情報使い実験
コンビニのコーヒーマシンの稼働状況を把握する情報を活用して、地震などで生じた断水か所を早く特定しようという全国初の実証実験が、東京都内で始まりました。
この実証実験は、各店舗に設置されているコーヒーマシンに、水が来ていないと異常を知らせるコンビニのシステムを活用して断水か所を特定しようというもので、2月1日から東京都とコンビニエンスストア大手の「セブン‐イレブン・ジャパン」が始めました。
コンビニ側の情報が、断水か所を把握する都のシステムに反映される仕組みとなっていて、都の担当者は、情報が正しく反映されているかなどをチェックしていました。
都のシステムでは、水道管のトラブルを知らせる専用の機器の数が少ないため、おおまかなエリアでしか断水か所を把握できず、住民からの通報などに基づいて都の職員が現場に出向いて特定するため、復旧までに時間がかかるのが現状です。
東京都水道局配水課の安孫子昌弘課長は「都内に2900の店舗を持つ企業のシステムを活用することで、断水エリアの絞り込みを、これまでよりも早くできる。災害から早く立ち直るためにも、民間の力を活用したい」と話していました。
この実証実験は、2月いっぱい行われ、都は、今後も民間企業のデータを活用した防災対策の検討を進めていくことにしています。
なぜコーヒーマシンを活用?
断水か所の把握は困難 早期特定が課題に
去年、都が発表した首都直下地震の想定では、地震の揺れや液状化によって都内の水道管の4分の1以上が損傷して使えなくなると指摘されています。
復旧までには少なくとも17日間を要するとされていますが、時間がかかる要因として、断水か所の特定が難しいことが挙げられます。
都によりますと、水道管が損傷して水圧や流れる水の量の変化などの異常を検知する専用の機器はあるものの、1つ当たり安いものでおよそ170万円、高いものになると2000万円ほどのコストがかかるということです。
このため、都内の区市町村にはそれぞれ10程度しか設置されていないということです。
こうしたことから断水か所を把握する都のシステムでは、おおまかなエリアでしか把握できません。
都は、住民から寄せられる断水の通報をもとに、水道管の損傷が疑われるエリアを絞りこみ、最終的には都の職員が現地に出向いて断水か所を特定しているのが現状です。
災害時は混乱して断水の情報が正しく伝わらない可能性もあり、一日も早い水道の復旧のためにも人の通報だけに頼らず、いかに早く断水か所を特定できるかが課題となっています。
復旧までには少なくとも17日間を要するとされていますが、時間がかかる要因として、断水か所の特定が難しいことが挙げられます。
都によりますと、水道管が損傷して水圧や流れる水の量の変化などの異常を検知する専用の機器はあるものの、1つ当たり安いものでおよそ170万円、高いものになると2000万円ほどのコストがかかるということです。
このため、都内の区市町村にはそれぞれ10程度しか設置されていないということです。
こうしたことから断水か所を把握する都のシステムでは、おおまかなエリアでしか把握できません。
都は、住民から寄せられる断水の通報をもとに、水道管の損傷が疑われるエリアを絞りこみ、最終的には都の職員が現地に出向いて断水か所を特定しているのが現状です。
災害時は混乱して断水の情報が正しく伝わらない可能性もあり、一日も早い水道の復旧のためにも人の通報だけに頼らず、いかに早く断水か所を特定できるかが課題となっています。