ことしも食料品の値上げ続く 今月はお好み焼き粉や調味料など

原材料価格の高騰などの影響でことしも暮らしに身近な食料品などの値上げが続きそうです。今月は小麦粉を使った商品や調味料などの値上げが相次ぎ、家計の負担が一段と大きくなります。

製粉大手各社は小麦粉を使った商品などについて4日の納品分から税抜きの希望小売価格を値上げします。

▽日清製粉ウェルナは、お好み焼き粉などのミックス粉のほか、海外で製造したパスタ製品、それにパスタソースといった家庭用の119品目を対象におよそ2%から25%値上げします。

また、
▽ニップンはミックス粉やパスタソース、それにドレッシングなど69品目を対象に、およそ2%から17%値上げするほか、
▽昭和産業が天ぷら粉などのプレミックス製品31品目をおよそ2%から15%値上げします。

調味料などでは
▽味の素が今月1日の納品分から、うま味調味料やアミノ酸を含む食品の一部を、出荷価格でおよそ2%から16%引き上げたほか、
▽ピエトロは今月1日の出荷分からドレッシングの一部の商品を税抜きの希望小売価格で5.8%から7.1%、引き上げました。

さらに、
▽はごろもフーズが4日の出荷分から主力のツナ缶など65品を税抜きの参考小売価格で4.8%から25%値上げするほか、
▽亀田製菓が今月30日の出荷分以降、一部の米菓について、出荷価格を5%から11%ほど引き上げたり、内容量を減らす実質値上げをしたりするということです。

原材料価格や物流費の高騰、去年、急速に進んだ円安などが値上げの要因になっているということです。

来月以降も調味料や冷凍食品、菓子など、主なメーカーが相次いで値上げを予定していて、家計への負担は一段と大きくなります。

7000品目超が値上げ予定

民間の信用調査会社「帝国データバンク」によりますと、ことし1月から4月に値上げが予定される食品や飲料は再値上げなどを含めた累計で7152品目となっています。

これは、去年の同じ時期と比べるとおよそ1.5倍に増えています。

月別でみると、ことし2月は4277品目と多く、去年10月と同じように「値上げラッシュ」となる可能性があるとしています。

ことしの値上げ率は平均で18%となっていて、去年1年間の平均の14%を上回っていて、家計の負担はさらに増えると分析しています。

また、民間のシンクタンク「みずほリサーチ&テクノロジーズ」の試算では、食料品などの値上げによって今年度・2022年度の2人以上の世帯の負担額は前の年度と比べて平均で9万6368円増加するとしています。

さらに新年度・2023年度は今年度より平均で3万9750円増えるとしています。

年収が低い世帯ほど収入に占める負担額の割合は大きくなるということです。

「みずほリサーチ&テクノロジーズ」の酒井才介 主席エコノミストは「物価高で家計の負担が増える状況が続くとみている。物価の上昇に賃金の伸びが追いつかない状況が続くとみられ、消費マインドの低下が懸念される」と話しています。