先端半導体 国産化へ 国内8社が新会社 人材育成や開発力に課題

次世代の半導体の開発競争で巻き返しを図るため、日本の主要な企業8社が先端半導体の国産化に向けた新会社を共同で設立しました。研究開発を担う人材の育成や、この分野で先行する海外の知見を得て開発力を高められるかが課題です。

新会社の名前はラテン語で「速い」という意味の「Rapidus」(らぴだす)です。

トヨタ自動車、ソニーグループ、NTTなど国内の8社が出資していて、11日に正式に発表される見通しです。

新会社では自動運転やスマートシティーといった次世代の分野で欠かせず、世界でも実用化されていない2ナノメートル以下の先端半導体の技術開発を行い、5年後の2027年をめどに量産化を目指します。

ただ、アメリカや台湾などのメーカーとの技術力の差は大きいことから、研究開発を担う人材の育成や、先行する海外の知見を得て開発力を高められるかが課題になります。

半導体業界に詳しいイギリスの調査会社「オムディア」の南川明シニアディレクターは「先端半導体の研究開発で、日本には人材がいないのできちんと育てていかないといけない。そこがいちばんの課題になるのではないか」と話していました。

そのうえで「世界的に半導体が重要だと言われる環境でこれはラストチャンスだ。海外からいろいろ教えてもらい、貪欲に知見を得ていくことは必ず必要だ」と述べ、新会社の設立で海外との差を埋められるかが問われていると指摘しました。