“拒食症” 若い世代中心に増加 10代は1.7倍に コロナが影響か

新型コロナウイルスの感染が拡大して以降、いわゆる拒食症の患者が若い世代を中心に増え、10代の患者は去年コロナ前の1.7倍だったことが専門の学会の調査で分かりました。コロナ禍での日常生活の変化がストレスになって、発症につながっているのではないかとしています。

日本摂食障害学会の調査グループは、摂食障害の専門治療を行っている全国の医療機関を対象にことし5月から7月にアンケートを行い、28か所から回答を得ました。

それによりますと、初診の外来患者で「神経性やせ症」、いわゆる拒食症だった人は2019年には400人だったのが、新型コロナの感染拡大が始まったおととしは1.2倍の480人、去年はおよそ1.5倍の610人となっていました。

特に10代は2019年に199人だったのが、おととしは296人でおよそ1.5倍、去年は347人でおよそ1.7倍になっていて、去年とおととしの患者の30%余りはコロナが影響しているとみられるとしています。

グループでは、学校の休校など日常生活の変化や、家庭の経済環境の悪化などがストレスになり、発症につながっているのではないかとしていて、調査した獨協医科大学埼玉医療センターの井上建医師は「人と関わる機会が減り、ストレスを和らげる機会が減っていることが原因の1つと考えている。話を聴いて共感することが大事だ」と話しています。