鉄道開業150年 不採算路線増加も技術革新 環境面の期待高まる

日本で鉄道が開業して14日で150年です。かつて輸送の要だった時期を経て、最近では人口減少などから存続が危ぶまれる路線も出ていますが、技術革新は続き環境面からの期待も高まっていて、今後、どう歴史を刻んでいくのか改めて注目が集まっています。

150年前の1872年、明治5年10月14日、日本で最初の鉄道が新橋・横浜間で開業しました。

高速での大量輸送を強みに船などに替わって輸送の要となり、各地で建設が進んで、遠い場所への通勤・通学、観光旅行の広がりなど人々の生活を変えました。

戦後の復興や高度経済成長を支え、沿線での都市開発も進みました。

東京オリンピックの開催に合わせ1964年には、東海道新幹線が東京・新大阪間で開業。

時速200キロ以上での営業運転は当時、世界初で「夢の超特急」と呼ばれました。

しかし、道路網の整備や自動車の普及が進むなか、地方鉄道を中心に不採算の路線が増加。
1987年、巨額の債務を抱えた国鉄は分割民営化されました。

JRとして再出発しましたがその後も人口減少や新型コロナによるライフスタイルの変化などに直面。

国の検討会がことし、JRの路線について乗客の利用状況が一定の基準などを下回る場合、バスへの転換も含めて協議を進めるべきとする提言をまとめるなど厳しい状況を迎えています。

一方、鉄道は開業以来、速さ、利便性、安全性を求めて最先端の技術が投入されてきました。
時速500キロで走行するリニア中央新幹線は、JR東海がまずは東京・品川と名古屋との間での開業を目指して建設を始めています。

都心の大動脈、JR「山手線」では今月から乗客を乗せた営業列車で自動運転の実証運転が始まりました。

鉄道は二酸化炭素の排出が比較的少ない輸送手段として環境面からの期待も高まっていて、今後、どう歴史を刻んでいくのか改めて注目が集まっています。