東京都 ミサイル飛来などに備え都民の一時的避難先の施設公表

東京都は、ミサイルの飛来など万が一の事態に備え、都の人口1400万人分の一時的な避難先をおおむね確保したとして30日、避難先となる公共施設の一覧を公表しました。

国はミサイルの飛来などによる爆風などからの直接の被害を軽減するため、都道府県に対し、1人当たり0.825平方メートルを基準にコンクリートの建物や地下街などの頑丈な施設を「緊急一時避難施設」として指定するよう求めています。

都は、この基準に基づき万が一の事態に備えて都内の区市町村と調整を進めた結果、30日新たに778か所の公共施設を指定し、これまでに指定したものと合わせると施設の数は3700余りとなりました。

都は都の人口1400万人分をおおむね確保できたとしていて、都のホームページで指定した公共施設の一覧を公表しました。

具体的には、地下鉄の駅や体育館、それに都立施設などで、中には、東京オリンピック・パラリンピックで使用された施設も入っています。

ミサイルが日本に飛来するおそれがある場合、国からの緊急情報を伝えるJアラート=全国瞬時警報システムなどで避難が呼びかけられることになっています。

都は、国が示した基準に基づいて施設を確保しましたが、都によりますと、休日の日中の時間帯で、人が多く集まる繁華街の場合、避難が呼びかけられても施設が不足しかねないといった課題があるということです。

都は一時的な避難は1時間から2時間程度を想定していて、今後、都内の民間事業者に幅広く協力を求め、所有するビルや地下施設を指定できるよう調整を進めることにしています。

小池知事「戦略的に指定進める」

東京都の小池知事は定例の記者会見で「北朝鮮は、きのうもミサイルを発射し、強く抗議したい。都民の命や財産を守るという取り組みは、さまざまな緊急事態などを考えると重要だ。今後も区市町村と緊密に連携し、民間施設も含め都内全域で戦略的に指定を進めていく」と述べました。