その結果、飼い主と再び会ったときに、イヌが分泌する涙の量は、ふだんと比べ平均で15.9%増えました。
一方、飼い主ではない人では、涙の量は増えなかったということです。
また、人に目が潤んだイヌと、そうでないイヌの写真を見せて受ける印象を数値化して調べたところ、目が潤んだイヌのほうが、好意的な印象を与えることもわかったということです。
今回の研究では、イヌが人と親密な行動をとる時に分泌される、「オキシトシン」というホルモンが、涙の量と関係していることもわかったということです。
“イヌの涙の量 時間おき飼い主と再会で増える” 麻布大が研究
イヌは、時間をおいて飼い主に再び会ったとき、分泌する涙の量が増えるという実験結果を、麻布大学などの研究グループが発表しました。
目が涙で潤んだイヌは、人に好印象を与えるということで、研究グループは「イヌが家畜化される過程で、どのように人と親密な関係を築いてきたのかを考えるヒントになる」としています。
麻布大学獣医学部の永澤美保准教授らのグループは、イヌがふだん飼い主と一緒にいるときと、飼い主と5時間以上離れてから再び会ったときの、涙の量の変化を調べました。
永澤准教授は「イヌが、飼い主に目を潤ませるという感情の示し方をすることは、人に世話をしたいという気持ちを起こさせる戦略のひとつと言えるかもしれない。イヌが家畜化される過程で、どのように人と親密な関係を築いてきたのかを考えるヒントになる」と話していました。
この研究は、日本時間の23日、生物学の専門誌「カレント・バイオロジー」のオンライン版に掲載されました。
この研究は、日本時間の23日、生物学の専門誌「カレント・バイオロジー」のオンライン版に掲載されました。