福島第一原発 処理水放出施設の工事を本格的に開始 東京電力

東京電力は、福島第一原子力発電所にたまるトリチウムなどの放射性物質を含む処理水を、海に放出する施設について4日、海底トンネルなどの本格的な工事を開始しました。

福島第一原発にたまり続ける処理水について東京電力は、基準を下回る濃度に薄めて、原発のおよそ1キロ沖合から海底トンネルを通して海に流す計画で、2日、福島県と地元の大熊町、双葉町から施設の建設について了解を得ました。

これを受けて東京電力は、4日午前7時から、本格的な工事を開始したと発表しました。

具体的には、放出前に放射性物質の濃度を測定するために処理水をためるタンクの配管と、処理水を海底トンネルに向けて移送する配管を設置する工事を始めたということです。

また、正午前には、トンネル本体の工事にも着手し、岸壁付近にあらかじめ掘っておいた縦穴の地下およそ18メートルの場所で、海底の掘削を開始したということです。

東京電力は、政府の方針に従って来年春ごろからの放出開始を目指していますが、気象条件によっては、工事の完了が来年夏ごろにずれ込む可能性を示しています。

また、処理水の海への放出には、地元や漁業者を中心に風評被害を懸念する声が根強く、政府と東京電力がどう理解を得ていくかが課題となっています。