被爆者の証言をデジタルで伝える 東京大学チーム NYで企画展へ

NPT=核拡散防止条約の再検討会議が開かれているニューヨークで、東京大学の研究チームがデジタル技術を使って被爆者の証言などを伝える企画展を開くことになりました。

企画展はNPTの再検討会議が国連本部で開かれるのに合わせ、広島に原爆が投下された8月6日から2日間、東京大学大学院の渡邉英徳教授の研究チームが、大学のニューヨークオフィスで開きます。

会場では訪れた人を取り囲むように置かれた大型のモニターに、広島と長崎のおよそ300人の被爆者の証言を記録した動画や写真を、被爆地の地図上にまとめたウェブサイト「ヒロシマ・アーカイブ」と「ナガサキ・アーカイブ」が映し出され、被爆者と直接対話しているかのように、原爆が投下された後に一人一人に起きたことがわかるようになっています。

また、ロシアによるウクライナへの軍事侵攻で被害を受けた建物などの様子を、衛星画像や3Dのデータなどで詳細に示したデジタルの地図も展示され、研究チームは新たな技術でウクライナ、被爆地ともに、戦争によって引き起こされる被害の大きさを感じてもらいたいとしています。
企画展の初日には、現地を訪れている3人の被爆者の証言を聞く会も開く予定で、渡邉教授は「原爆の被害について関心を持ってこなかったアメリカの市民にもより伝わりやすい形で被爆の証言を伝えることで、平和の大切さを考えるきっかけにしてもらいたい」と話しています。