駐ウクライナ大使”日本側にがれき処理で協力求められている”
松田邦紀 駐ウクライナ大使が4日、NHKのインタビューに応じ、ウクライナの復興をめぐって、ウクライナ側から日本側に対し、戦闘で破壊された建物のがれきの処理などで協力を求められていることを明らかにしました。
松田大使は、現在、ロシアによる軍事侵攻を受けて、ウクライナの首都キーウの日本大使館から、隣国ポーランドの都市ジェシュフに退避したうえで、在留邦人の安全確保にあたるとともに、国際機関の担当者などと連携してウクライナの支援を続けています。
こうした中、松田大使は4日、NHKのオンラインインタビューに応じました。
この中で、松田大使は、ウクライナの復興をめぐる国際会議が開かれることについて「停戦やロシア軍の撤退に見通しがたっていないいまだからこそ、復興について考え、国際社会に訴えることは、極めてタイムリーな発想だ」と指摘しました。
また「戦争が続く中で、戦争が終わったあとのことを考えるというのは、国民の士気を鼓舞し、侵略国に対しても、勝利の先のことを考えていると示すことにもなる」と述べ、ウクライナ側のねらいを分析しました。
そして、日本がウクライナの復興にどのように関わっていくべきかについて「ゼレンスキー大統領は、ことし3月に日本の国会で行った演説でも、戦後再建への協力に期待を示していた。日本としてもしかるべき役割を果たしていける」と述べました。
そのうえで「ウクライナ側からは『膨大な量のがれきを処理することから始めなければいけない』と言われている」と述べ、ウクライナ側から日本側に対し、具体的な支援として、戦闘で破壊された建物のがれきの処理などで協力を求められていることを明らかにしました。
松田大使は「日本国内での大規模な自然災害への対応などを通じて得た知見や経験を生かした公共インフラの復旧などへの期待を感じる」と話していました。
一方、松田大使によりますと、ウクライナの復興をめぐっては、イギリスがキーウ州と首都キーウを、イタリアがマリウポリを、デンマークがミコライウ州を、ギリシャがオデーサ州を、それぞれ支援する意向を示しているということで、日本としても今回の復興会議の議論を踏まえたうえで、対応を検討するということです。
そのうえで、今回の会議について「各国や国際機関の関係者が心をひとつにまとめていくことが重要だ。今回の会議がウクライナ復興に向けた国際社会の団結と連帯につながっていくことを期待している」と強調しました。