被災地には山間部も多く、被害の全容は明らかになっていませんが、国連が公開した衛星画像では、建物が被害を受けた様子や避難所が多数設置されている様子などがうかがえます。
国連の衛星センターは、ホスト州の震源周辺で、地震の発生前と発生翌日である今月23日に撮影された衛星画像合わせて14枚を比較し地震の影響を分析しました。
このうち、震源付近の集落を撮影した画像では、集落の複数の建物で被害が見られると分析していて、屋根などが崩れ落ちているように見えます。
また、この集落では、複数の避難所が建てられている様子も確認できるとしています。
震源から13キロほど離れたホスト州の集落でも同様に、建物への被害が見られるほか、避難所が作られた様子が確認できるとしています。
被害は道路にも及んでいて、震源から8キロほど離れたホスト州の集落を捉えた画像では、道路が2か所で被害を受けている様子がわかったということです。
アフガン地震から1週間 山間部の被災地に支援物資 十分届かず
アフガニスタン東部でマグニチュード5.9の地震が起きてから、29日で1週間となりました。現地ではイスラム主義勢力タリバンの暫定政権と国際機関が被災者の支援を行っていますが、交通事情が悪く、医薬品などの物資が十分に届いていない状況です。
アフガニスタンでは今月22日、東部のホスト州を震源とするマグニチュード5.9の地震が起き、WHO=世界保健機関によりますと、今月26日までにホスト州と隣接するパクティカ州で合わせて1036人が死亡、2949人がけがをしたということです。
また、ユニセフ=国連児童基金は少なくとも121人の子どもが死亡したとしています。
現地ではタリバンの暫定政権、それに国際赤十字・赤新月社連盟などの国際機関も加わり、食料の配付やけが人の治療など、被災者の支援が行われています。
しかし山間部にある被災地に通じる道路は舗装されていないものも多いなど交通事情が悪く、支援活動の関係者によりますと、大量の物資を運ぶことができず、医薬品などが十分に届いていないということです。
アフガニスタン内務省のタクール報道官は28日、NHKの取材に対し「人道危機はお互いが助け合うことで解決される。国際社会には食料や医薬品、テントなどの物資の提供を求めたい」と述べさらなる支援を呼びかけましたが、物資をどのようにして早く被災地に届けるかが、今後も課題となりそうです。