捨てられていたものを活用 “アップサイクル” 食品で広がる

捨てられていたものを活用し、価値ある商品を生み出す「アップサイクル」と呼ばれる取り組み。これを食品関連の新たなビジネスにつなげる試みが企業の間で広がっています。

食品宅配大手の「オイシックス・ラ・大地」は、なすのヘタを揚げたチップスやバナナの皮で作ったジャムなど、これまで捨てていた食材を使った加工食品を開発し、販売に乗り出しました。

先月末からは、東京 千代田区に期間限定の店舗を設け、店頭での価格はバナナの皮のジャムが145グラム入りで税込み630円などやや割高ですが、食品ロス削減への関心が高い消費者などが買い求めているということです。

会社ではこの事業の売り上げを2024年度には20億円に拡大させる計画で、担当の三輪千晴さんは「環境に優しく、安心して食べられる商品なので認知度を高めていきたい」と話していました。

また、大手飲料メーカーの「伊藤園」は、コーヒー豆をばい煎した際に出る皮をパルプに混ぜて作った紙製のストローを、今月から傘下のコーヒーチェーンなどに導入しています。

ストロー2本でコーヒーおよそ1杯分の豆の皮の廃棄を削減でき、今後、ほかの飲食店などへの販売も計画しているということで、持続可能な社会の実現に向け、企業の対応が求められる中、食品の分野でもアップサイクルを新しいビジネスにつなげる試みが広がっています。